現代のトラウマアプローチ

2013.06.08

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  気分の浮き沈みや不眠、不安、パニックなど、心身の不調を訴える人は増加の一途を辿っています。そのような不調は、主に<こころの問題>として捉えられ、精神医学や臨床心理学の領域として認識されてきました。そして<薬による対症療法>や認知行動療法などの<脳の知的な部分に働きかける心理療法>が日本での現在の主な対処法となっています。そのような対処で回復が得られる人がいる一方、薬の効果が得られない、頭では分かっていても体と気持ちがついていかない、調子がいい時と悪い時を繰り返し、不調が長期化する等、望ましい回復が得られない人がいるのも現状です。そのような経緯の中、主にアメリカを中心とし、<神経生 ...もっと読む

バース・トラウマ(出産時心的外傷)とは

2013.06.07

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バース・トラウマとは、出生前や周産期に受けるトラウマのことを言います。お母さんの子宮の中で、主に呼吸や循環がうまく機能しなかったことが要因になると言われています。例えば、出生時に呼吸をしていなかった場合、へその緒が首に絡みついていた場合などにバース・トラウマの影響を受けている可能性が考えられます。他にも、鉗子分娩や吸引分娩、帝王切開などで、赤ちゃんが自分の足でお母さんの子宮を蹴り、回旋して生まれてくる機会を逸していると、同様の可能性があると言われます。 (上記のような状況で生まれてきた方の全てが、バース・トラウマの影響を受けるという訳ではありません。) 私が最初に「バース・トラウマ」という言葉 ...もっと読む

SIBAM(サイバム):統合のための5つの要素

2013.05.08

あっという間にゴールデンウィークも終わりました。 休日の疲れが出始める頃かもしれません。急激にペースを上げるのではなく、日常にソフトランディングできるといいですね。 前回少し触れました、SIBAM(サイバム)という概念について書いてみたいと思います。 SIBAMとは、「人間の体験の全体を形成する5つの要素」のことです。ソマティック・エクスペリエンスの創始者であるピーター・リヴァインによる概念です。 5つの要素とは、具体的には以下のことです。 S:感覚(Sensation) I:イメージ(Image) B:動き(Behavior) A:情緒(Affect) M:意味(Meaning) 多くの人の ...もっと読む

TREワークショップ③:TREとSEの比較から感じたこと

2013.04.18

前回の続きです。 ⇒TREワークショップ①:自然と身体   TREワークショップ②:シャー・ピアスさん シャー・ピアスさんによるTREワークショップは、1時間のレクチャーと2時間の実践、30分のシェアという構成でした。 <レクチャー:TREのトラウマ理論> 以前のブログでも書きましたが、TREの基本的なトラウマ理論はソマティック・エクスペリエンスと共通するところがとても多いです。今回のワークショップでは分かりやすく、以下のように説明されていました。 ◇トラウマはエネルギーであり、高まったエネルギーが解放されたがっている状態 ◇特に大腰筋(腰の深いところにある筋肉)は、内臓を守るために様々なトラ ...もっと読む

TREワークショップ②:シャー・ピアスさん

2013.04.12

前回の続きです。 ⇒TREワークショップ①:自然と身体 今回のTRE(トラウマ解放エクササイズ)ワークショップの講師は、アメリカのエサレン研究所で活躍されている、シャー・ピアスさんでした。 エサレン研究所は、カリフォルニア、ビックサーという温泉地にある、滞在型のコミュニティセンターです。こころとからだ、スピリットを総合的に探究するセンターとして、多くのサイコセラピスト、ボディワーカー、芸術家、哲学者が出入りをし、実験的な試みを行ってきた場所です。 例を挙げると、ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、プロセスワークのアーノルド・ミンデル、来談者中心療法のカール・ロジャース、ロルフィングのアイダ・ ...もっと読む

TREワークショップ①:自然と身体

2013.04.06

江の島で行われた、シャー・ピアスさんによる、TRE(トラウマ解放エクササイズ)のワークショップに参加してきました。 早目に家を出て、10年以上ぶりの江ノ電に揺られ、会場に向かいました。 私は湘南寄りの横浜で生まれ育ったので、あの辺りには思い出も多いのです。 江ノ電のあの埃っぽい感じ、懐かしかったです(笑) ワークショップの前に、海の見えるお店でランチをしていた時、最初に感じたのは、「東京とは時間の流れが違う」ということでした。 海の満ち引きや、陽の光が水面に反射する様子、海鳥が空をゆっくりと旋回している風景を眺めていたら、自然やそれをとりまく環境の「リズム」と、時計やスマホを必要以上に見ている ...もっと読む

2回目の3月11日を迎えて

2013.03.20

慌ただしさにまぎれてUPが遅れてしまいましたが、今年もこの日を迎えました。 3月11日、東日本大震災から2年ですね。 311の前になると、少し体調を崩す自分がいます。昨年もそうでした。 無意識に自分の中で何かが、まだ意識化できない何かが動き出す、そんな感じがします。 今年の3月11日の前日、仕事を終えて神楽坂通りを歩いていると、毘沙門天の前に僧侶の方が立っておられ、震災で亡くなられた方へのお焼香と追悼式への参加を道行く人に呼び掛けていました。 震災後、黙祷をしたり祈る機会はあったものの、「お焼香をあげる」という機会はありませんでした。 私にとっての「お焼香」は、自分と関わりのあった、たった一人 ...もっと読む

再び出逢う:セラピスト藤原千枝子さん

2013.03.09

3月に入り、急激に暖かくなってきました。 体調を崩している方が多いようです。季節の変わり目、すこしスローダウンして過ごせるといいですね。 先日、ソマティック・エクスペリエンスの日本での第一人者であり、札幌でのトレーニングをオーガナイズされているセラピストの藤原千枝子さんが、ご自身のブログで私のサイトを紹介してくださいました。ありがとうございます。(藤原さんのブログはこちらです。) 藤原さんとの出会いは、私がソマティック・エクスペリエンスの第1期トレーニングに参加した4年ほど前なのですが、トレーニング期間の3年間は、藤原さんとゆっくりとお話する機会を作ることができないまま過ぎ去ってしまいました。 ...もっと読む

「日常」と向き合う:off the matの過ごし方

2013.02.27

2013年も2か月が過ぎようとしています。あっという間ですね。 年度末を控え、慌ただしい日々をお過ごしの方も多いのではないでしょうか。 私自身も変化が続き、地に足が着いていない自分を感じています。 「非日常の時間」は日々のスパイスや張り合いになりますが、圧倒的に大部分を占めているのは「日常」ですよね。この、ある意味「変わりばえのしない日常」をどのような状態で過ごすかによって、今の、未来の自分の在り方も変わるように思います。 クリパルヨガにも、「off the mat」という概念があります。 ヨガマットの外にいる時、つまり、ヨガ以外の日常の時間の過ごし方を大切にします。 これは、セラピー以外の時 ...もっと読む

理論を越えた人間の力

2013.02.12

様々なセラピーの理論があります。 理論の精密さや深さに感動することも多々あります。 そういった理論やテクニックをしっかりと身につけて、クライアントさんに提供したい。 そのためにはもっともっと勉強しなくては。 そんな思いがここ1年ほど強まっていたように思います。 先日、あるクライアントさんとのセッションの際に、「そういった今の自分のスタンスを、一度振り返った方がいい」、そう思う瞬間がありました。 このクライアントさんのトラウマの種類はあれだから、あのテクニックを行う。 ああいった体験をされている方だから、今はこういう状態に違いない。 「見立て」「アセスメント」などと呼ばれるものですね。 もちろん ...もっと読む