腰に溜まったトラウマを解放する③:TRE~トラウマ解放エクササイズ~
2013.02.06
最近、「新しいことを学びたい」という思いが強まっています。
ソマティック・エクスペリエンスやクリパルヨガなどの、こころとからだを統合していくセラピーやボディワークとの相乗効果が得られそうものを探しているところです。
手始めに、まずはこのワークショップに参加することにしました。
エサレン研究所のシャー・ピアスさんによる、TRE(緊張とトラウマを解放するエクササイズ)
ワークショップ
TREについては、昨年、「人生を変えるトラウマ解放エクササイズ」という書籍が発売になったので、ご存じの方も多いと思います。
自宅でできる簡単なエクササイズを通じて、緊張やトラウマの解放を促すワークです。デイビッド・バーセリ博士によって25年前に開発され、地震や戦争をはじめとしたトラウマの生存者に用いられてきました。
理論的には、ソマティック・エクスペリエンスやトラウマ・センシティブ・ヨガのトラウマ理論と共通している部分がとても多いと感じています。解放に導くためのアプローチの仕方はそれぞれ少しずつ異なっており、TREの場合は、主に腰の筋肉(大腰筋)を通じて、脳に働きかけるという方法をとっています。
TREでトラウマが解放される仕組みは、大雑把に書くと以下のようになります。
(「シャー・ピアス来日情報サイト」を参考に書いています。)
◇足や腰を使ったエクササイズを通じて、大腰筋から体中に広がる「振動」を引き起こす。
↓
◇その振動が脊髄を通って脳の神経細胞に働きかけ、神経ネットワークのパターンに変化を与える。
↓
◇不安や緊張を作り出しているマインドのパターンに変化が生まれ、肉体的、精神的緊張とストレスが解放される。
大腰筋は、腹部の深いところにある筋肉で、トラウマティックな出来事に応じて緊張、収縮し、内臓を守るという役割を担っています。 未完了の感情や緊張を担ってくれている部分ということですね。
腰の筋肉を通じてトラウマを解放を試みるこのエクササイズ、以前ご紹介したconstrucive restというヨガのポーズとも共通点が多いです。constructive restで心身に大きな変化を実感して以来、私にとって腰というものはトラウマを考える上でのかなりの重要人物?になっているのです。
ということで、早速自宅でTREのエクササイズを始めてみました。
主に下半身に負荷をかけるエクササイズをした後、仰向けになって腰や足の「震え」を促していきます。正味1時間位でしょうか。
以下、個人的な感想です。
◇振動は結構激しく起きます
本当に振動が起きるのかな?という疑問がありましたが、起きました。なかなか激しい感じです。
あの姿勢、あの動きに恐怖を感じないで「ここ」に留まるためには、人によってはプラクティショナーの存在が必要かもしれない、と思いました。
◇気をつけないと長くやりすぎてしまいます
書籍には15分以上はやらないように、と書かれています。でも私はうっかり時計を見ないで始めてしまい、おそらく15分以上はやってしまったのでないかと。振動が始まるにつれ、「途中で止めるのはもったいない」という考えが働きやすくなると思うので、しっかり時間管理をしないと、やりすぎてしまう気がします。
◇眠りが深くなります
かなり眠りが深くなりました。そして、夢を沢山見ています。過去の大きな出来事の重要人物が次から次へと登場しています(笑)脳や記憶で何か起きているな、という実感はあります。
◇湿疹が出ています
TREの影響かどうかは定かではないのですが、初めてエクササイズを行った翌日から、顔に広範囲に湿疹が出ています。顔の筋肉は腹部迷走神経の支配を受けているはずなので、副交感神経に何かが起きているのかもしれません。
◇感情が込み上げてきました
振動を自分で眺めている間に、感情が込み上げてくる瞬間がありました。特定の何かを思い出した訳ではなく、こんなに腰に背負わせていたのか、という体への申し訳なさとありがたさみたいなものが浮上しました。その感情にも長くとらわれることはなく、流れ去っていった、と言う感じです。
◇簡単です
書籍を見れば、どなたでもすぐ分かる簡単さです。
自分でできることがある、ということは、トラウマの影響で苦しんでいる方達が、コントロールを自分に取り戻すという意味でとても重要だと思います。
数回エクササイズを行っただけでこれだけのことが起きるのですから、かなりダイナミックなワークと言えそうです。自分でできるエクササイズのいい点と、人によっては少し慎重に行った方が安全かな、と感じる点の両方がある、というのが今のところの私の印象です。すでにセラピーを受けている方であれば、セラピストの方に相談するなど、安全な形で取り入れていただけるといいな、と思います。
エクササイズを継続していくと、振動の程度や場所に変化が起きてくるようなので、私自身はこのまましばらく継続して、経過を楽しんでみようと思っています。それらを元に、春のピアスさんのワークショップに臨みたいと思います。春の江の島でのワークショップ、とても楽しみにしています。
カテゴリー: 未分類
Nature Flowでは、神経生理学や成人の発達理論に基づいたセッションを対面、オンラインで行っています。身体と意識にアプローチすることを通じて、「今」を生きることを応援しています。
カウンセリング詳細&お申し込み