神経系とのワークで大切なこと~タイトレーション~つづき

2012.07.28

前回の続きです。

ソマティック・エクスペリエンス(SE)をはじめとした、神経系にワークするセッションにおいて大切なこととして、「タイトレーション」についてお伝えしました。

少しずつ、少しずつ。

とてもシンプルで簡単なことのように思えますが、なかなか奥の深いことのように感じます。

私自身も、生活や人生の全般において、タイトレーションすることを学んでいる最中です。考えてみると、特に苦手なことに関してはタイトレーションできていないように感じます。つい一発逆転を狙ってしまうというか、極端な行動に出てしまうというか。

タイトレーションについて考えていると、思い出すエピソードがあります。

アメリカのベテランセラピストからSEセッションを受けた時の出来事です。

その時はSEの2年目のトレーニング中の最中でした。毎日重みのあるテーマが続く中、私の身体や感情も揺れ動いていました。

そんな中、アメリカのベテランセラピストからセッションを受ける日がきました。私は、そんな不安定さをテーマにセッションを受けようと、勢い勇んで行きました。 ですが・・、

その時のセッションでやったことは、

「椅子に座り、外側の世界に意識を向け、目や首が向きたい方向に向かせてあげることを続ける。」

以上! でした(笑)

50分間、ほぼこれだけをやったんです。タイトレーションの極みです。

途中から嫌な予感がして、「もしかして、これだけで終わっちゃうのかな・・。」とか、「取り組みたいテーマがあったのに・・。」などど思いながら、ひたすら外の世界へ意識を向けていました。

そして予感の通り、そのままセッションは終わりました。

プラクティショナーは、全く動じる素ぶりもありません。

きっとこれが今必要なことだったのだろうと思いながらも、戸惑いや不満を感じずにはいられませんでした。でもそれを言葉にして伝えることもできず、そんな自分にもへこみながら、帰途につきました。

そして数日後です。

あの朝に感じた安らぎを、私は一生忘れることはないと思います。

神経系が本当に安定しているというのは、こういうことを言うのだろうと思いました。外から聞こえてくる音や、日の光などが格段にリアルに感じられて、ただそれらと共に在る。頭の中は静まり返っています。1秒1秒の時間の間にしっかりと身を置いている感覚でした。その頃、朝に日記を書くということをやっていたのですが、その日のページには、「この安らぎがあれば、他にはもう何もいらない」などど書いてしまっています!

その感覚は、残念ながら時間の経過とともに徐々に薄らいでいきました。ただ、完全になくなったのではなく、底上げされているのを感じます。 その後、同様の経験を何度かしています。おそらく、そうやって少しずつ安定しながら底上げされていくんでしょうね。

ただ外に意識を向け、目や首が向きたい方向に向くのについていくという穏やかなワークは、活性化(過覚醒)が激しければ激しい程、有効なワークだそうです。ご興味のある方、よかったら試してみてください。外に意識を向けるだけでも副交感神経は優位になり、見たい方向を見るということは、トラウマの解放に重要となる方向付けの回復につながります。そのセラピストは、私が相当活性化しているのを分かっていたのでしょうね。

クライアントの目先の欲求に惑わされず、もしかしたら自分に不満を感じられたとしても、本当に必要なことをぶれずに淡々とやる。そんなスタンスにセラピストの大きな愛を感じました。 前回書いた、ピーター・リヴァインのスタンスも同様ですね。

私はと言えば、「もっといいセッションをしなくては!」「これでは足りないのではないか」という焦りで、前のめりになっていることもしばしばです。その背景には私のエゴもあるんだろうなと思います。クライアントさんにタイトレーションを勧めている時、私も一緒にタイトレーションしています。 

少しずつ、少しずつのプロセスは、地味ですし、忍耐を要するものだと思います。でも、そうやって新たな神経系のパターンを構築することで、生活や人生においても、今まで意識が向かわなかった領域への回路ができる訳です。神経系が変われば、人生も変わる。Less is More、これからも学んでいきたいと思います。

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nature-flowでは、自己探索に必要な「安全」や「静けさ」、「ユーモア」や「柔らかさ」を大切にしています。そして、「症状をなくす」ことだけに注力するのではなく、その方固有の個性や本質(true nature)を活かした生き方の探索に寄り添うことを大切にしていきたい、そんな風に思っています。

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